XHTMLとはなんだったのか

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現在ではHTML5が主流になっているが、事実上忘れられたHTML関連の仕様としてXHTMLがあった。

これは、W3C側は当初はHTMLからXHTMLへの移行に力を入れていたが、方針にウェブ業界が反発、WHATWGを設立、紆余曲折を経てWHATWG側はHTML Living Standardとして最新の仕様を作成・更新、W3C側はそれを元にHTML5(HTML 5.1含む)を勧告している状態にある。

さて、XHTMLとはどういうものかという点について説明したい。

XHTMLとは、Extensible HyperText Markup Languageの略で、いわゆる拡張可能なHTMLという位置づけだった。技術的には、HTMLがStandard Generalized Markup Language(SGML)の仕様に基づくものだった ((現行のHTML5はSGMLではない)) のに対し、XHTMLはXMLの仕様に基づくものになっている。

このため、HTMLと比較して、構文上は機械にとってわかりやすいことで、文書の解析は仕様上やりやすくなった一方で、作成者にとっては冗長な記述を強いられることがあったこと、一部のウェブブラウザでは対応が遅れて表示がおかしくなるなどの問題があった。

XHTMLには以下のバージョンがあった。

  • XHTML 1.0 – HTML 4.01をXMLで定義し直したもの
  • XHTML 1.1 – XHTML 1.0 Strictを元に、モジュール化が行われた
  • XHTML 2.0 – 2009年に仕様策定打ち切り
  • 他 (XHTML Basic, XHTML Mobile Profileなど)

これらは全体的にはHTML5と比較して、文書としてのHTML/XHTMLという方向性が強く、ウェブアプリという方向性には対応できていなかったことが普及に至らなかったことが考えられる。

なお、現在ではHTML5の仕様をXMLの文法で定義しなおしたものとしてXHTML5がある。これはHTML5のサブセットである。

一時期は導入するところもあったものの、今日ではほぼ無視されるようになったXHTMLだが、ウェブの変遷を調べる上でかなり興味深いものだろう。

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