APFSとは、そしてそれに至るまでの変遷

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macOS High Sierraが登場、新たにAPFSがデフォルトのファイルシステムとして採用されるようになり、SSDを搭載したMacであれば自動的に変換されるようになっている。さて、High Sierraで登場したAPFSとは一体なんだろうか?

APFSとは

APFSは、ソリッドステートドライブ(SSD)を搭載したiPhoneやMacなどに特化した、新しいファイルシステムで、iOSでは10.3以降で、macOSではHigh Sierraから導入された。

APFSでは、ファイルシステム自体が64ビットに対応完了 ((HFS+では32ビット)) し、なおかつマルチスレッドに対応することによって、ファイル操作時の快適性が大幅に向上するのが特徴である。

他にも、以下の機能が追加される。

  • スナップショットの追加
  • また、ファイルのタイムスタンプがHFS+の秒単位からナノ秒単位に
  • コピー・オン・ライト機能の追加

これによって、パフォーマンスが向上する他、HFS+と比べて安全性も高くなると言える。

APFSが登場するまでの過程

さて、今回のAPFSが登場するまでに、アップルのデバイスではどういったファイルシステムが導入されていたのだろうか、軽く触れてみたい。

Macintosh File System

Macintosh File System(MFS)は、Macintoshで最初に搭載された最初のファイルシステムで、フロッピーディスクからシステムを起動していた時代で使われていた。

極めてシンプルなファイルシステムで、ディレクトリー機能もサポートしていなかった ((Finderで擬似的にディレクトリーを表現していた)) 。

Hierarchical File System

Hierarchical File System (HFS) ((「Mac OS 標準フォーマット」あるいは「Mac OS Standard」とも)) は、「Hierarchical」の名前の通り、階層構造をサポートしたファイルシステムである。これは、MacintoshのSystem自体が肥大化、ハードディスクを利用するようになるにつれて、ファイル管理の煩雑さやシステムの安定性に影響を及ぼすことから、1985年に登場したSystem 2.1で初めて導入された。

このファイルシステムでは、ファイル数は65,535個、ファイルサイズは2GiB、ファイル名は31文字までという制約があり、比較的容量の小さかった90年代前半まではあまり問題にならなかったものの、Windows NTや95が登場する時代から深刻な問題になり始めていった。

このファイルシステムは、macOS Sierra以降は利用不可能になっている。

HFS+/HFSX

その後、HFSの後継として、HFS+ ((「Mac OS 拡張フォーマット」あるいは「Mac OS Extended」とも)) がMac OS 8.1より登場、macOS Sierraまでの長きにわたってMacの標準のファイルシステムとして使われるようになった。

HFS+では、長いファイル名(255文字)や大量のファイル、大容量のストレージを扱えるようになったことが大きな特徴である。

HFSXは、Mac OS X Pantherで導入されたファイル名/ディレクトリ名の大文字小文字を区別するバージョンのHFS+である。

最後に

今回のmacOS High Sierraで導入されたAPFSと、それに至るまでのMacintosh System ((および日本語版に当たる「漢字Talk」)) 、Mac OS、Mac OS X、OS X、そしてmacOSとOS自体の名称が変わりながら ((うち、Mac OSまでとMac OS Xでは技術ベースも全く違うものとなっており、Mac OS X以降はNeXTSTEPベースになっている)) も続いていくファイルシステムの歴史もまた、興味深いものとなっている。

かつてはファイルシステムも意識していないとトラブルの原因になることがしばしばあったが、今日おいては容量問題を除けば、ほとんど意識を向ける必要性がほとんどなくなったというのも、時代の変遷を感じさせられる。

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