役不足は頻繁に間違って使われる

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突然ではあるが「役不足」はどういう意味で使っているだろうか?もし、仕事を頼まれた時などに「役不足ですが、頑張ります。」というような使い方をした場合は、大顰蹙を買ってしまうかもしれないだろう。ここではしばしば間違って使われる「役不足」についての説明をしてみたい。

さて、「役不足」とは何かについて説明したい。

「役不足」とは、岩波国語辞典第7版によれば、以下のように定義されている。

やくぶそく【役不足】役目が実力不相応に軽いこと。「彼には係長では–だ」。与えられた役目に満足しないこと。「–をかこつ」→力不足の意に使うのは誤用。

また、三省堂国語辞典第6版では以下のように定義されている。

やくぶそく【役不足】(名・形動ダ)(1)割り当てられた役目に対して不満を持つこと。(2)軽い役目のために、うでまえをじゅうぶんあらわせないこと。(3)(あやまって)力不足であること。手にあまること。

上記の辞書の定義の通り、本来であれば、「役不足」の使い方として正しいのは、例えば高度な技術を持つ専門家が、そこまでの技術を持っている人でなくてもこなせるような(その専門家にとって簡単な)仕事を任せる時に、「この仕事の件ですが、あなたにとっては些か役不足ではあるかもしれませんが、どうか引き受けていただけますでしょうか?」という風に使うのが正しいと言われている。

とはいえ、「役不足」と「力不足」は語彙の雰囲気が近いという部分もあり、混同してしまって、「力不足」の意味で「役不足」という言葉が使われてしまっていると言えるのかもしれない。

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