最近マルチブートをほとんど聞かなくなった

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今日ではディアルブートあるいはマルチブートというのもほとんど聞かなくなった。私も以前はWindowsとGNU/Linuxシステム、あるいはMac OS X ((当時。のちにOS Xを経て、現在ではmacOS)) とWindowsの両方をインストールするときはマルチブートを使っていたが、現在ではすっかり仮想化がメインとなった。

マルチブートとは、ハードディスクドライブ(HDD)あるいはソリッドステートドライブ(SSD)などのシステムドライブに複数のOSの領域を割り当てた上でインストールし、PCの起動時に使用するOSを振り分けるという手法である。それぞれのOSは直に動作するため、ストレージの容量を除けば、そこまでPCのスペックは要求されないが、OSを切り替える時に再起動が必要であるため、頻繁にOSを切り替えようとすると非常に不便だった。

一方、仮想化は、専用のツールを使用して、現在起動しているPCのCPUやメインメモリー、ストレージなどのリソースを一定数を割り当てる形で仮装PCを作成、そのPC上でOSを動作させてしまうという手法である。こちらはマルチブートとは違い、ホストPC上に仮装PCが動いている状態であるため、OSを切り替えるコストがほぼなくなっている。

かつては仮想化は非常にコストのかかる手法であり、Windows VistaやWindows 7が登場した前後のマルチコア化の促進や、メインメモリーの価格の下落が進むまでは、一般レベルでは仮想化はリソース不足で事実上不可能な場合も多かった。そのこともあって、複数のOSを使い分けるにはマルチブートが主流だった。

今日ではCPUやメインメモリーの容量もかなりゆとりができており、マルチブートの敷居は以前と比較すると下がっている。そのためにマルチブート特有の不便な点が目立つようになり、仮想化にシフトしていったようだ。

また、仮想化以前に、複数のOSをサポートするマルチプラットフォームのアプリやウェブアプリも増えてきたこともマルチブートのメリットが失われた要因とも考えられる。

こういったこともマルチブートをほとんど聞かなくなった要因なのかなということを考えると、ハードウェアの進歩を考えさせられるものである。

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