Windows 8.xは失敗作なのか

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インターネット上ではWindows 8.x系を失敗作と主張している利用者が多いものの、実際にはそうなのだろうか?NetMarketShareのグラフを見てみれば、2012年10月に発売されておよそ1年半以上経過しているもののWindows 8と8.1合わせてもシェアは7のおよそ1/4、サポートすでに切れているXPの半分と、Windowsのシェアを考慮すれば現時点では商業的には失敗作と言える状態となっている。それについて自分なりに述べてみたい。

この要因は、主にModern UIを前提とし、タッチパネルを意識した操作系に大幅に変えてしまったことにより、従来からのユーザーが新しい操作を覚えなければならなくなったことが一つとしてあげられる。とりわけModern UIアプリなどはタッチパネルに特化されすぎてしまい、時にマウスでは使いづらい部分が大きい。そういう意味では、従来のWindowsに慣れ親しんだ利用者にとっては面倒なものになっているといえる。

話は変わるが、Office 2007で部分的に採用されたリボンUIでも2003以前のメニューバー+ツールバーから現行のリボンUIに移行した時に操作面での批判が大きかった。それから改良を加えられて現在ではWindows付属のアプリの多くや、サードパーティーのアプリにも採用されるようになっており、一定の成果は挙げているといえる。

上記を踏まえると、Windows 8.xで採用された技術及び機能という面では課題は数多く残っているものの決して失敗作とはいえず、今後のマーケティングや改良を重ねることにより定着する可能性はあると考える。

例えば、かつて同じく失敗作といわれていたWindows Vistaでも、それで初めて採用されたWindows Aero(Desktop Window Manager)やユーザーアカウント制御などは改良を加えられながら7以降でも採用されている。特にユーザーアカウント制御はXP以前では軽視されていたセキュリティーを強化する重要な機能のため ((XP以前では管理者権限のあるアカウントはログイン中は常に管理者権限がある状態で危険な状態だったが、Vista以降では管理者権限があるアカウントでも基本的には一般ユーザー権限のみ、必要な時のみ管理者権限を使うという形となり、不用意に管理者権限を使いシステムを破壊してしまう危険性が減った)) 、そういう意味では大きな進歩といえる。

商業的にみれば現時点ではWindows 8.xは失敗作と言える状態だが、個人的にはWindows 8.xで採用された技術や機能は改良を加えられて次期バージョン以降にはある程度定着する可能性があると考えている。確かに商業的な結果は重要だが、それだけにとらわれてはならないように考える。

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