近年ではほぼ全ての携帯キャリアがパケット通信の完全定額制を廃止してもう久しく、それぞれの契約によって設定された一定以上の通信量をこえると、追加料金を払うまで転送速度制限がかかる ((ドコモでは128kbpsとなるため、記事名とさせてもらった 。なお契約によっては転送速度制限を回避する代わりに自動的に追加料金を払う設定になっていることもあり、その場合は通信費が高額になって支払不能になる、いわゆる「パケ死」に注意)) 。
完全定額制を廃止したと考えられる理由
パケット定額制は、各キャリア及び契約にもよるが、基本的にはパケット通信量にかかわらず一定の料金になるというもので ((フィーチャーフォン時代を中心にいわゆるダブル定額制があったが、これは下限・上限を設定して、その間は従量課金、下限を下回るか、上限を超えたら定額制というシステム)) 、利用者にとっては通信量を意識せずにメールを使ったりインターネットを利用したりすることができるようになった ((それ以前は通信時間に応じた課金あるいは従量課金で、通信量がかさむと支払不能な高額の請求が来る状態になることもあり、問題視されていた)) 。
しかしながら、通信技術の発展と携帯電話・スマートフォンなどの普及により、転送帯域が逼迫することも増えてきた ((そのほとんどは少数のヘビーユーザーによるものである)) 。また、定額制は従量課金等とは違い、通信量が多くても請求額は一定以上にならないため、減収の要素にもなりえた。
これらの対策として、完全な定額制を廃止して、一定以上の通信量を越えると128kbpsの制限をかけるか、追加料金を請求するという方針に転換されたと考えられる。
128kbpsとは
128kbpsとは、転送速度であり、1秒間に128キロビット、1バイトは8ビットであるため、1秒間に16キロバイトの転送速度ということになる。この場合、音楽ファイル(5MBと仮定して)をダウンロードするのに単純計算でさえ5〜6分以上かかることになる。
メールのやり取りや文章系サイトのブラウジングならまだしも、リッチなサイトを閲覧するには不便で、アプリのダウンロードや動画の閲覧などに至っては無理と言っていいレベルである。
転送量制限対策
Wi-Fi環境があるなら、できる限りそれを使うのが望ましい。近年では都心部を中心に駅やカフェなどで公衆無線LANが使えるようになっているため、その設定を確認して無線LANがつかえるならそれを優先的に使うように設定するのが望ましい。
また、アプリを確認して、不要なものをアンインストールしたり、バックグラウンドでの通信を許可しないなどの設定をして転送を抑えるなどの対処もある程度は有効である。
当方の場合
当方の場合は、比較的古い契約で7GB/月という設定だが、大体の場合、月末の1〜3日前後で転送量制限がかかるケースが往々にしてある。
当方の場合は、リモートデスクトップアプリを使っているため、どうしても通信量かさむ。
本記事の執筆時点ですでに転送速度制限がかかっており、メールの閲覧や軽いサイトならまだしも、そうでないものは非常に不便である。
リモートデスクトップはかなりもっさりとしており、不便極まりなかった。
最後に
完全パケット定額制が廃止されて、一定の条件が課せられるようになった現状では、定額制が始まる前ほどではないにせよ、通信量を意識しなければならなくなったのは面倒なところである。
128kbps制限あるいは追加料金請求については携帯電話キャリアの事情もあるのかもしれないが、ユーザーにとって、便利かつ安心して携帯電話やスマートフォンなど利用できるサービスとは何かを模索して、提供してほしいと考えている。
当面の間は転送量を意識しながらスマートフォンを使い続けなければならないだろうな。
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