『Amazon、Flash広告掲載拒否へ 9月1日から』(ITMediaニュース)によれば、米アマゾン社は9月1日より、Flashを使用した広告掲載を拒否するとのことである。これは近年のウェブブラウザのFlash Playerに対する対応が影響しているものと考えられている。
Adobe Flash ((当初はFutureSplash、後にマクロメディアが買収してMacromedia Flash、さらにアドビに買収されて現在に至る)) は1996年に開発、リリースされた動画やゲームなどを扱えるようにするための規格及びツール類で、PCブラウザ上を中心に動画の再生やゲームなどで使われている。その仕様から、Flash Playerをインストールしていれば、環境問わず動作し、インタラクティブなコンテンツを作成できるという意味で広く使われているが、Flash Playerをインストールしていないと動作しないという問題やセキュリティー面でも脆弱性が指摘されている問題から、近年のスマートフォンやタブレットを中心にFlashが排除されて、HTML5に移行が進んでいるとされている。
従来はインタラクティブなコンテンツを作るにはDHTML ((JavaScriptやCSSなどを駆使してHTMLを動的に見せる手法)) もあったが、当時のブラウザはそれぞれの互換性が低く、ブラウザに応じてスクリプトの書き方やCSSの設定などを分ける必要があった。それを考慮すると、プラグインは必要だが基本的にブラウザごとに設定を変える必要のないFlashはインタラクティブなコンテンツを作るという点ではかなり便利な選択肢だったといえる。
今日ではウェブ標準がかなり整備され、どのブラウザでもHTML/CSS/JavaScriptはほぼ同様の挙動をするようになっており、インタラクティブなコンテンツでもHTML5の登場によりFlashを使用しなくてもその多くが実現できるようになったという事情も考えられる。
とはいえ、現状でもHTML5が完全にFlashを置き換えるかというと(技術的には可能と考えられるが)まだPCを中心にFlashへの需要も根強く、Flashが完全にHTML5に移行するのはしばらく時間がかかるものと考えられる。
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