主要OSの64bit移行状況を調べてみる

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WWDC 2017でiOS 11及びmacOS High Sierraが発表され、iOS 11では64bit専用に、macOS High Sierraでは32bitアプリをサポートする最後のOSとなったことで、iOS/macOSでは64bitへの完全移行が進められた形となったが、他の主要OSのサポート状況についてはどうなっているのだろうか、ここで書いてみたい。

Windows

まず、Windowsについてである。Windowsにおいては、古いバージョンのアプリと互換性を確保する傾向が強く、OS/アプリ共に64bitへの移行がなかなか進んでいない時期があった。なお、一般利用者/企業向けのWindowsではWindows 10の段階で32bit/64bit版の両方があり、サーバー向けWindows Serverシリーズでは2008 R2で64bit専用になった。

Steam ハードウェア & ソフトウェア 調査によれば、2017年6月10日時点でおおよそ9割前後のユーザーがWindowsの64bit版 ((Windows 10/8.x/7の64bit版)) を使っているとのことで、今日においては64bitへの移行はOSの導入という面では概ね進んでいるものと言える。

アプリ面においては、32bitアプリの多くが64bit版Windowsでも動くということから、デスクトップアプリにおいては32bit版のみ、一部では64bit版も配布されることがあるというパターンが多い。当面の間は32bitアプリのサポートは続くだろう。

Android

Androidにおいては、OSにおいては5.0 Lollipop以降で64bitに対応している。Androidにおいては、Javaで書かれたアプリはAndroid Runtimeで中間言語からネイティブのコードに変換されるため、使用しているハードウェア及びOSに依存することになる。

その上で、Androidで使われているCPUについては、64bit対応かどうかがわかりづらい面があり、基本的にはCortex-A32以外のARMv8アーキテクチャーを採用したCPUなら64bitに対応しているのだが、その判別はかなり難しい状態にある。

GNU/Linuxシステム

GNU/Linuxシステムにおいては、そのディストリビューションの多さから一概には言えないが、エンタープライズ向けの一部で64bit版のみのサポートとなっているものがあるが、多くの場合は32bit/64bitの両方に対応しているものが多い。

64bit版のディストリビューションでは32bit版のライブラリーを提供することで、32bitアプリのサポートを行っているものが多いようである。

最後に

今回、macOS/iOS以外のOSにおける64bitの移行状況を調べて見たが、少なくとも主要のOSではすでに64bit対応版がある程度定着している印象だった。ただし、32bit版のアプリを動作させるためのサポートが行われており、macOS/iOSのように32bit環境を完全に切り捨てるというところまでは当面の間はなさそうではある。

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