辞書によって語彙の説明も違う

英語の学習では、しばしば英和辞典を使うだろう。英和辞典も色々あり、簡単に訳語だけを表したようなものから、その単語に関する説明や、使い方を説明したものまでたくさんある。さて、今回はカタカナ語としてもしばしば使われる「アジェンダ」を参考に、辞書によってどれくらい説明が違うのか書いてみたい。

アジェンダとは

まず、今日において、カタカナ語として使われている「アジェンダ」について、簡単に説明したい。これは、会議における「議題」という意味で使われており、主要な国語辞典でも収録されるほどよく使われる語になっている。

例えば、岩波国語辞典第7版では以下のように説明されている1

アジェンダ 会議で論ずる事項(議題)の表。比喩的に、議題項目。「新政策のーーを示せ」> agenda

日本語として使われているアジェンダだが、英語においてもしばしば利用されている。

さて、ここでは英和辞典でアジェンダ(agenda)について調べてみたい。今回は用例については省略している。

英和辞典で「agenda」を調べると・・・

さて、英和辞典で「agenda」を調べてみたい。

まず、新クラウン英和辞典第5版で調べた場合、以下のようになっている。

agenda n. (会議の)協議事項表。

一方、ウィズダム英和辞典第2版で調べると以下のようになる。

agenda [<ラテン]
[名] (複〜s) [C] (本来 agendumの複数形だが、通例単数扱い)
1 (しばしば政治における)重要課題
2 (会議などの)協定事項; 予定(表), 覚え書き

新クラウン英和辞典では、agendaの使われ方についても多少説明されているようになっている。また、語義の説明もかなり詳細になっていると言える。なお、旺文社レクシス英和辞典2 でも

なお、リーダーズ英和辞典だと以下のようになった。

agenda n (pl ~s) 1 a 予定表, 計画表, 《会議用の》議事日程, 協議事項; 備忘録 … b 予定, 行動計画; 課題, 義務; 《電算》アジェンダ《人工知能において実行すべきタスクのリスト》; … [L = thing to be done (pl) < agendum]

上記の場合、語義の説明の豊富さで言えばリーダーズ英和辞典が最も説明が豊富である一方、使われ方の親切さで言えばウィズダム英和辞典の方がより親切であると言える。

ついでに英英辞典で調べてみると

さて、英英辞典で調べてみるとどうなるだろうか?

まず、「Oxford Advanced Learner’s Dictionary 8th Edition」で調べてみた場合は、以下のようになる。なお、Oxford Advanced Learner’s Dictionaryは、非英語話者向けの英英辞典である。

agenda noun a list of items to be discussed at a meeting;

これは、「会議で討論される事項のリスト」という説明で書かれている。

これが、ネイティブ向けの英英辞典である「Concise Oxford English Dictionary 11th Edition Revised」になると、以下のようになる。

agenda n. 1 a list of items to be discussed at a meeting. -> a list of matters to be addressed. -> the underlying intentions to motives of a particular person or group; … 2 N. Amer. an appointment diary.

はじめにOALDと同じ説明があるほか、「対処すべき事項(課題)のリスト」や「特定の個人または集団の動機の根底にある意図」という意味でも説明されている。また、北米では「計画表」という意味でも使われているようである。

なお、USAGEの説明が結構詳細に書かれていた。

USAGE: Although agenda is the plural of agendum in Latin, in standard modern English it is normally used as a singular noun with a standard plural form (agendas). See also usage at data and media.

また「USAGE」において、「ラテン語ではagendaはagendumの複数形だが、標準的な現代英語では、通常単数名詞として、通常の複数形の形式であるagendasと共に使われている。」という旨が書かれている。

最後に

今回は仕事で使っているあるカタカナ語について複数の辞書を使って調べてみて、その説明がかなり違っていることに改めて気付かされた。特に、その説明が親切かどうか、語義が詳細に書かれているかどうかが結構異なっていることもあり、それぞれ得手不得手があるようである。

学習では複数の辞書を持っている必要はあまりないが、もしものために、複数持っておく、あるいは図書館で辞書を開くということも考えると良いだろう。

使用辞典

  • 『三省堂国語辞典 第6版』
  • 『岩波国語辞典 第7版』
  • 『新クラウン英和辞典 第5版』
  • 『ウィズダム英和辞典 第2版』
  • 『リーダーズ英和辞典 第3版』
  • 『Oxford Advanced Learner’s Dictionary 8th Edition』
  • 『Concise Oxford English Dictionary 11th Edition Revised』
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  1. 辞書において交ぜ書きになっている部分は漢字で書いております []
  2. 旺文社オーレックス英和辞典の前身の英和辞典に相当。 []
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