学校教育などでは、漢字の筆順がしばしば指導されることがあるほか、筆順テストが行われることもある。とはいえ、漢字の書き方には一定の規則こそあれど、地域や流派等に応じて複数の筆順があるものは決して珍しいものではない。とはいえ、学校教育においては、筆順を巡ってトラブルになることもあるとのことである。
漢字の筆順については、1958年に文部省 ((当時、現在が文部科学省)) より示された「筆順指導の手びき」において、教育漢字881字に対して、教育の観点から筆順指導の混乱を防ぐためになるべく筆順を統一させるために作られた。
とはいえ、「筆順指導の手びき」においては、当該手引きに書かれていない筆順についても、一概に誤りとみなすものではないとも書かれており、あくまで教育上の混乱防止のためのものであるとされている。また「義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年3月4日文部科学省告示第33号)」(文部科学省)においても、「漢字の筆順は、原則として一般に通用している常識的なものによっており、行書で筆順が異なる字については、適切な説明を加えていること。」と書かれており、「一般的に通用している常識的なもの」であれば、手引きに準拠しなくても良いと読める。
そのため、本来教育上の混乱を防ぐために作られたに過ぎない「筆順指導の手びき」が唯一の正しい筆順という扱いになっているように見受けられる風潮があり、個人的には疑問を抱かざるを得ないものがしばしば見受けられる。
こういったこともあり、筆順には一定の法則はあるが、その範囲内で複数の筆順が発生する可能性があるということは考えて欲しいところはある。
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