Windowsを触っているとしばしばCドライブやDドライブといった用語が出てくるが、疑問に思ったことはないだろうか?たとえばなぜドライブにアルファベットが割り振られているのか、あるいはなぜAから始まらないのか、といったことが考えられるだろう。ここではそんな疑問についていろいろ書いてみたい。
CやDのアルファベットはドライブレター
CドライブやDドライブのアルファベットはドライブレターと言い、このアルファベットでドライブそのものやドライブの中で割り当てられたパーティションを識別している。
それによって、ドライブレターに応じてドライブやパーティションが明確に分けられている。
ドライブレターはMS-DOSよりも前に生まれた
Windowsで使われているドライブレターは、その誕生はかなり古く、1970年代に8ビットPCを中心に使われていたCP/MというOSに遡る。
当時、CP/Mの普及率が高く、それを模倣する形でシアトル・コンピュータ・プロダクツより開発が行われた86-DOSでもドライブレターの概念が取り入れられ、それをベースにマイクロソフトとIBMによりIBM PC 5150向けにPC DOS ((IBM版の名称。マイクロソフト版はMS-DOSの名称として販売された)) が開発された。
その後、MS-DOSで定着したドライブレターの概念がWindowsやOS/2に引き継がれて、現在でも広く使われている状態にある。
なぜCドライブから始まるのか
ではどうして今日のPCではAとBドライブが無くて ((古いPCだとAドライブはあるけれど、Bドライブがないということもあるだろう)) 、Cドライブから始まるのだろうか?それについてはPCのアーキテクチャーに起因することによる。
現在主流のPCは、いわゆる「IBM PC互換機」と呼ばれており ((あるいは「PC/AT互換機」、「DOS/V機」とも)) 、IBM PC 5150から幾多もの改良を重ねながら現在に至っているものである。
そのIBM PCにおいて、以下のドライブレターの割り振り方を行っていたものが、現在も続いていることによるものである。
- AとBはフロッピーディスクドライブに割りあてる
- 残りのドライブはC以降に割り当てる
したがって、通常の場合、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブから起動した場合、起動したドライブは最初に識別されるがフロッピーディスクドライブではないことからCドライブになるということである。
また、古いMS-DOSではフロッピーディスクドライブから起動していたたため、その場合はAドライブだった。
例外: NEC PC-9800シリーズの場合
1990年代まで日本においてよく使われていたPC-9800シリーズでは上記の法則は適用されず、認識したドライブ順にドライブレターを割り当てていた。したがって、ハードディスクドライブでも起動ドライブであればAドライブとして扱われていた。
というのは、PC-9800シリーズはIBM PCシリーズとは全く別の系統のPCの系譜であり、ハードウェア面では様々な点で差異があることによるものである。
最後に
今回はWindowsを使っている時によく見かけるCドライブやDドライブについて、雑学的な内容を書いた。これも歴史的経緯のあるものであり、調べてみると昔から続いてきたものであるということにたどり着く。
この例も含めて、普段使っているものについても、「なぜ」ということを調べてみると、いろいろなことがあって今に至っているというのが少なくなく、調べれてみると結構面白いかもしれない。
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