2014年4月9日にWindows XPのサポートが完全に終了してから、すでに10年以上が経過している今日では、すでにWindowsは10/11が主役になっており、近いうちには次世代バージョンのWindowsが登場するのではないかという話もあるようだ。ここでは、Windows XPについていろいろ述べてみたい。
Windows XPは2001年にマイクロソフト社により発売されたオペレーションシステムで、21世紀になってから初めて登場したWindowsといえるバージョンである。このWindows XPではあらゆる面でWindowsにとっては大きな転機となっている要素が多数存在している。
最も大きな転機としては、一般家庭用のWindowsと業務用のWindowsの一本化が初めてなされたWindowsで、これまでの一般家庭用に提供されていたWindows 9x系(95, 98, Me)と業務用に提供されていたWindows NT系(NT 3.x, NT 4.0, 2000)に分かれていたWindowsの系統が業務用のNT系に一本化され、安定性に優れていたNT系をベースに従来のNT系が苦手としていた家庭向けのマルチメディア機能や使いやすさが合わさったことで、業務用にも家庭用にも十分にこなせる汎用OSとして登場した。これ以降のWindows Vista, 7, 8.x, 10, 11ではNT系の系譜にあたる。
先ほど述べたとおり、Windows XPが登場するまでのWindowsは、以下の二つの系統に分かれていた。
- Windows 9x系
- Windows 95
- Windows 98
- Windows Me
- Windows NT系
- Windows NT 3.1
- Windows NT 3.5
- Windows NT 3.51
- Windows NT 4.0
- Windows 2000
Windows 9x系はWindows 3.1までのMS-DOS上で動くデスクトップ環境をもとにしたWindowsの後継バージョンにあたり、32bitオペレーティングシステムとしながらも、内部的には従来のMS-DOS由来の16bitの制約を引きずっているところが多々あり、OSとしては不安定になっていたことが指摘されていた。このような制約を抱えている中でマルチメディア機能を強化したWindows Meではシステムとしても限界を迎えていて、とりわけ不安定になっていたと言われている。
一方、Windows NT系は9x系とは全くの別系統のOSとして開発され、業務用に耐えられるだけの安定性を重視して開発された。その経緯から9x系と比較して安定性には優れるものの、一般家庭向けに求められるマルチメディア機能は9x系と比較して劣るものとなっており、初期のバージョンは一般家庭には使いやすいといえるようなものではなかった。その後、Windows 2000で9x系とNT系の統合を目指すことが目論まれたが、最終的にはWindows 2000の段階では統合は見合わせとなり、XPの段階でようやく統合となった。
Windows XPは歴代のWindowsの中でも長きにわたって現役で居続けたOSの一つであり、メインストリームサポート期間としては2001年から2009年、延長サポートも加われば2014年までのおよそ13年間にわたってサポートが続いていた。
この13年に及ぶサポートの間ではWindowsを取り巻く環境の変化があり、特にセキュリティーリスクの面で大きな転換を図られる機会があった。その中でもService Pack 2では登場前後に多くのセキュリティーリスクを抱えていることが判明したことからセキュリティーを大幅に強化する修正が行われていて、「Service Pack 2セキュリティ強化機能搭載」と名付けられるほどのセキュリティー機能強化が行われていた。この改修の影響で、当時のLonghornプロジェクトの開発遅延に繋がり、最初期は2003年にリリースされる計画だったのが2006年にまで伸びる結果となった。
Windows VistaではOSの仕様が大きく変わってセキュリティーは大幅に強化されたもののレガシーな仕様が多く廃止されたことで非互換が発生したこと、Vistaの登場当初はXPまでとは比較にならないほどのハードウェアスペックが要求され、性能不足により動作が遅くなることがしばしば見られることが問題となった結果、互換性やハードウェアスペックの観点からXPを使い続けていた利用者が多かった。後にWindows 7が登場してからはWindows 7への移行が進んでいった。
今日ではすでにWindows 7のサポートも終了、Windows 10や11への移行が進んでいる状態であるが、少なからずWindows XPの需要があるとのことである。
すでに過去のものとなったWindows XPではあるものの、私にとっては長らくお世話になったOSであり、今となっては懐かしさを覚えている。
ウェブマスター。本ブログでITを中心にいろいろな情報や意見などを提供しています。主にスマートフォン向けアプリやウェブアプリの開発に携わっています。
コメント