今日のWindowsのサポートライフサイクルは概ね明確でわかりやすいものになっている。新しいWindowsのバージョンが登場したら5年間またはその次のバージョンのWindowsが登場してから2年間のいずれか長い期間がメインストリームサポートフェーズ ((セキュリティーアップデートに加え、新機能の追加も含まれる)) で、その期間が終了したら延長サポートフェーズ ((アップデートはセキュリティー関連のみ)) に移行し、それから5年が経過したら完全にサポートが終了するという形をとっているようである。しかしながら、以前のWindowsのサポート期間は今ほどはっきりしたものではなかったようである。
現在のサポートライフサイクルが適用されたのはWindows 2000から
現在のサポートライフサイクルが取られた初のOSはWindows 2000である ((Windows Meは9x系にあたるためか、サポートライフサイクルが取られていない模様であった)) 。
Windows 2000以前のOS及びMeまでは現在のサポートライフサイクルが取られていない模様で、Windows 9x系は95までは2001年12月末で ((これにはWindows 1.xも含まれており、当時はサポート期限が明確ではなかったが、Windows 2000の登場を機に後付けでサポート期限が付けられるようになった)) 、98(SE含む)及びMeは2006年7月11日で、NT系ではNT 4.0がWorkstation ((Windows 2000以降のProfessional(ただしVistaはBusiness)、8.x以降のProに相当する)) が2004年6月末、Server ((XP世代以降はWindows Serverシリーズ)) が2004年12月末でサポートが終了した。
当初は家庭用エディションは延長サポートフェーズの対象外の予定だった
なお、当初のサポートライフサイクルでは、延長サポートフェーズの対象はビジネス向けのエディションのみであり、一般家庭向けのエディションはメインストリームサポートフェーズが終了したら完全にサポートが終了される予定だった。
しかしながら、Windows Vistaの登場ではVistaへの移行が遅々として進まず、Windows XP Home Editionの利用者が非常に多かったという背景から、2007年1月25日にWindows XP Home Edition及びMedia Center Editionを延長サポートフェーズの対象とした ((cf: XP Homeのサポート期限延長を発表 MS、全世界で – ITmedia)) 。
なお、これによってWindows Vistaの一般家庭向けのエディションではXPよりもサポート期間が短く、7でも一般家庭向けのエディションではXPの延長サポートフェーズ終了から1年未満までしかサポートされないという事態となったためか、2012年2月20日のサポートライフサイクルの変更で、Vista以降においても一般家庭向けのエディションでも延長サポートフェーズの対象とした ((cf. Vista&7のサポート期限が5年延長に、新たなWindowsサポート状況まとめ – WebMemo Second Edition)) 。
最後に
Windowsのサポート期間を調べてみると、Windows 2000が出るまではサポート期限の概念が確立しているとは言えなかった状況のようで、Windows 2000が出てからサポートライフサイクルが始まり、一般家庭向けのエディションとビジネス向けエディションのサポート期限の問題など、紆余曲折を経ながら、現在に至っているようである。
サポート期限については、一定期間ごとに新しいOSにアップグレードする、あるいは買い換えるなどのコストを強いられるという負の側面はあるものの、セキュリティー面やイノベーションなどを考えれば望ましいことなのだろう。
なお、Windows 10の登場以降、サポートのあり方はまた変わるのかもしれない。
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