2020年に全学校で情報端末一人一台は実現できるのか?

注意: この記事は1年以上前に掲載されたものです。情報が古い場合がありますのでお気を付け下さい。

「2020年に全学校で情報端末1人1台」の理想と現実』(ITmedia)の記事で、日本の文部科学省は2020年までに全ての学校で一人一台の情報端末を活用した学習を推進するとしながらも、現場現場のICT化は地域差はあれど、なかなか進んでいない実態が書かれている。これには様々な課題があることも原因の一つにあるように考えられる。

教育現場のICT化がなかなか進まない理由には何があるのか

さて、教育現場のICT化がなかなか進んでいない状況にあることはわかったが、それにはどういったことが考えられるのだろか?ここではその原因について考えてみたい。

ICT端末及びインターネット環境のコストの問題

まず、一人一台のICT端末を使用する場合、端末時代のコストがかかる。使用する端末にもよるが、タブレットであれば1台あたり10,000〜50,000円、PCであれば1台あたり50,000〜150,000円あたりで、全校生徒250人の学校で一人一台のタブレット端末を使うとなった場合、仮に一人一人割り当てるとなった場合は、端末の単価としては2,500,000〜12,500,000円ということになる。もちろん、端末の費用負担及びその軽減策をどうするのか、端末を購入する形式にするのか、あるいは貸与するという形式にするのかといった取り決めも検討する必要があると言える。

まず、端末及びインターネット環境のコストの問題が挙げられる。今日においては、ほぼ全ての学校ではコンピューター室があり、インターネット環境につながっているものと考えられるが、使用するICT端末によってはWi-Fiを使用するものも少なくない。そのため、新たにWi-Fiを使えるようにするといった対応も必要になることが考えられる。

したがって、公立学校であれば主に税金、私立学校であれば学費と設備費等が財源となるため、そのための予算配分も必要になるといった課題が考えられる。

特に日本においては、学生のPC/タブレット保有率が低いという結果もあり ((cf: 日本の中学生のPC保有率が世界で図抜けて低いことはどういう結果になるか – More Access! More Fun!)) 、日本のICTへの意識に対する課題があるものと言える。

セキュリティーの課題

次にセキュリティー面の課題がある。Windowsをターゲットにしたコンピューターウィルスはよく知られているが、今日ではスマートフォンやタブレットをターゲットにしたウィルスをはじめとした不正ソフトウェアも登場しており、不要なソフトウェアはインストールしないようにする必要がある。

また、不正ソフトウェアだけではなく、青少年の教育上不適切な内容の含むウェブサイトや、いじめやヘイトスピーチなど、利用者の安全を脅かす可能性のある行動をしてしまうといった可能性もある。その可能性を最小限に抑えるためにも、コンテンツフィルタリングや端末の監視を行う必要性があるだろう。また、安易にその監視設定を無効化しないようにするといった指導も必要になると考えられる。

教育現場での理解度

おそらく、上記2つよりももっとも大きいであろう課題点がこれである。ICT利用の制度がいくら成熟したからといっても、現場教師がICTを使った学習を理解していないと、その効力はマイナスにさえなってしまう。つまり、まず、教える立場にある人がICTを使った教育について、一定以上熟知している必要があるということである。

そのためには、教育現場、あるいは各種研究機関などをはじめ、ICTを使った教育に関する研修あるいは学習を行い、教育方法を取得、さらに実際の教育においても、どうやったらより良くなるのかを模索していく必要があると言えるのかもしれない。

一方で、学校や教育者によっては、ICTを利用すること自体に否定的な考えを持つものもいるだろう。その場合は、どう説得・交渉していくのかということも必要になるのかもしれない。

最後に

今回、文部科学省が2020年に全学校で一人一台の情報端末というプランがあることを知ったが、その実現には様々な課題があり、それもあってか個人的には達成はほぼ不可能だろうと考えている。

しかしながら、今日では仕事においても、様々な手続きなどでICTを使用するのが前提となっているというのもあって、それを使いこなせるようにするということも兼ねて、教育を進めていけるように準備していくことが重要になっていくものと考えている。

それは決して簡単なことではないが、今後において大きなアプローチになるので、是非ともICTを使った教育を進めていってほしいと考えている。

タイトルとURLをコピーしました