「カレールウ」の誤用は結構目につく

近年、「カレールウ」の意味を間違って理解して使っているのをよく目にしており、自身はそれを聞くたびに強い違和感を抱いてしまっている。時代の流れなのかという部分も言えないわけではないのだけれど、個人的には気をつけて欲しいと考えている。

本来、「カレールウ」の「ルウ」(フランス語: roux)とは、小麦粉をバターで炒めたもので、各種ソースやシチューなどに用いられる。ルウを炒め具合によって、ほとんど焦がしていないホワイトルウ(ホワイトシチューなどに用いる)から程よく焦がしたブラウンルウ(ビーフシチューなどに用いる)まで幅がある。なお、カレールウはこのルウにカレー粉などのスパイスを混ぜたものである。店ではこれらのルーが固形状あるいはフレーク状で売られている。

しかしながら、今日では完成したカレーライスのソースを指して「カレールウ」と呼んでいるケースがかなり増えている。この用法は誤用である。例えば、日本においては多くの場合はルウを用いたカレーが食べられているが、ルウを使うようになったのはイギリスと言われており、ルーツとなるインドにおいてはルウは使われていなかった 1 。そのことから、カレーライスのソースは本来ならば「カレー」、あるいは「(カレー)ソース」と呼ぶものであると言える。

とはいえ、感覚的には「カレー」だと何を指すのか分かりづらく感じ、「カレーソース」だとソースにしては量が多すぎるというようで、しばしば「ルウ」と呼んでしまうのだろうか?とはいえ、「ルウ」の意味を考えると、どうしても違和感を拭えないわけで。

  1. また、インド料理では我々が一般的に「インドカレー」と呼んでいるものも、それぞれがそれぞれの料理名を持っており、例えば小さな豆の挽き割ったものを煮込んだ「ダール」(豆の挽き割りから派生)、ホウレンソウなどの葉菜を使った「サーグ」などが挙げられる。これらの総称としてイギリスが「カレー」(curry)として世界中に広めた経緯から、便宜的に「カレー」と呼ばれていて、定着していると言える。 []
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