MacはIntelからARMへ移行する方針に

2020年6月22日から2020年6月26日(米国・太平洋標準時)にかけて行われたApple Worldwide Developers Conference(WWDC 2020)で、2006年から長らく導入し続けてきたIntelのCPUから順次、ARMベースの「Apple Silicon Mac」へ移行することが発表された。2020年内にはApple Siliconを導入した最初のMacが発売される見込みにあるという。

Macシリーズは幾度となくCPUのアーキテクチャーを移行させてきた実績があり、最初期ではモトローラ社のMC68000シリーズに始まり、1991年からアップル・IBM・モトローラが共同開発したPowerPCシリーズに移行、2006年から2020年7月現在でも主流となっているいわゆるIntel Macと呼ばれるIntel Coreシリーズを導入したMacとなっている。およそ15年間続いているIntel Macから、Apple Siliconへ移行する計画が立てられたと言えよう。

ARMアーキテクチャーは、一般的にはスマートフォンやタブレットといった、携帯機器で採用されるケースが多く、アップルでもiPhoneやiPadシリーズをはじめとした携帯機器の端末ですでに用いられている。また、x86アーキテクチャーでは事実上Intel(またはその互換CPUを生産しているAMD)でしか生産できないことで強く依存することになる一方、ARMアーキテクチャーではライセンスを受けることで独自のCPUを開発することが可能で、iPhoneシリーズやiPadシリーズなどでApple AシリーズのCPUとして導入している。

なお、ARMアーキテクチャーの性能向上も近年では著しく、iPad ProシリーズではMacBook Proシリーズに匹敵あるいは凌駕するレベルの性能を発揮することも挙げられている。また、TOP500 JUNE 2020で1位となった理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」もARMベースのアーキテクチャーを導入していると言われている。

MacシリーズがARMベースのApple Siliconへ移行することによって、アーキテクチャー面ではiPhoneやiPadに近づく。これにより、操作体系を除けば、iPhoneおよびiPad向けアプリも将来的にはApple Silicon Mac上で動作することが期待されている。

CPUアーキテクチャーの移行には相応の対応が必要であり、移行のための仕組みも作られている。複数のアーキテクチャのバイナリーコードを一つのアプリバンドルに含めたUniversal 2、およびバイナリトランスレーターのRosetta 2が挙げられるが、これらはPowerPC MacからIntel Macへ移行する時に使われていた仕組みの後継であると言える。

Apple Silicon Macへの移行によって、Intel Macで使われていた技術のうち、Boot Campはサポートされない見通しとなっている。Boot CampはIntel Mac上で複数のOSをインストール・動作させるためのシステムで、主にWindowsを動作させるために使われている。今日においては以前はWindowsでしか動作しなかったソフトウェアもmacOSで動作可能のものが増えたり、ウェブアプリが増えたことによってそもそもOSに依存しないものも増えたこと、Windowsを動作させる必要がある場合でもMac自体の性能向上で仮想化で間に合うケースも増えたことなどから、Boot Campの必要性が下がったことも考えられる。また、ARM版Windows 10ではOEMのみであることから、ライセンス面での問題も考えられる。

長らくIntel MacとしてIntel CPUを導入し続けてきたMacだが、ARMベースのApple Siliconへ移行するという大きな転機を向かっているが、ユーザーにとって大きな利点になることを期待したい。

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