Red Hat Enterprise Linuxの個人開発者向け無償サブスクリプションが最大16システムまで利用可能になったこととAWSでは2021年3月末までAWS EC2のt4g.microインスタンスが無償利用枠の対象になっていることを利用して、AWS+RHELで色々と試行錯誤を重ねているところであるが、不適切なライセンス状況になったり二重課金になったりしそうなところを見つけたので、そのことについて書いてみたい。
AWSにおいては、RHELを使う場合、インスタンスの利用時間に合わせてライセンス料を支払うパターンと、Red Hat Cloud Accessを使って既存のサブスクリプションを使ってAWSのインスタンスを使うというパターンがある。
Red Hat Enterprise LinuxのAMIイメージはマイAMI(共有ファイル)とコミュニティAMI、他にもクイックスタートやAMI Marketplaceの全てにおいてあり、使いたいAMIイメージを探す場合にかなり四苦八苦することがある。
レッドハット社から提供されているAMIイメージは以下の命名規則に沿っており ((cf. Red Hat Cloud Access リファレンスガイド 第3章 Red Hat Gold Image の使用)) 、それにしたがって検索を行う、あるいは所有者ID「309956199498」で検索を行って探すことになる。
最初のGA AMIリリース: RHEL-[バージョン]-[仮想化タイプ]-[リリースタイプ]-[リリース日]-[アーキテクチャタイプ]-[マイナーバージョンリリースAMIイテレーション]-[サブスクリプションモデル]-[EBSボリュームタイプ] 最初のGA AMIリリース以降: RHEL-[バージョン]-[仮想化タイプ]-[リリース日]-[アーキテクチャタイプ]-[マイナーバージョンリリースAMIイテレーション]-[サブスクリプションモデル]-[EBSボリュームタイプ]
その上で、例えばRed Hat Enterprise Linux 8.3.0 x86_64版のAMIイメージを導入したい場合、以下のいずれかのモデルを探すことになる。
- RHEL-8.3.0_HVM-20201031-x86_64-0-Access2-GP2
- RHEL-8.3.0_HVM-20201031-x86_64-0-Hourly2-GP2
上記の二つのいずれかを見つけた場合、「Access2」か「Hourly2」のいずれかで差異があるが、これがサブスクリプションモデルの差異となる。これには以下の違いがある。
- Access – Red Hat Cloud Accessを使って既存のRHELライセンスを適用する必要のあるAMI。
- Hourly – 1時間単位のRHELライセンスが適用されるAMI。
したがって、既存のRHELのライセンスを使う場合、例えば開発者ライセンスをAWSのインスタンスに適用させる場合はAccessの方を使う必要がある ((Hourlyの方を利用した場合、AWSの利用料にRHELのライセンス料も含まれるのでコスト高になる)) 。
なお、EC2のインスタンス一覧で、「プラットフォームの詳細」が以下のように分かれる。
- Red Hat Enterprise Linux: 1時間単位のライセンス料が請求されるインスタンス
- Red Hat BYOL Linux: 既存のライセンスを持ち込む必要のあるインスタンス
この点に関しては自身も見落としてしまった部分であったため、是非とも気をつけていきたいと考えている。
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