これまで本ブログでは時折GNU/Linuxシステムや各ディストリビューションに関する言及があったが、ここでは実際にGNU/Linuxシステムをインストールする方法を説明してみたい。今回インストール手順を説明するのは利用者が比較的多く、なおかつインストールが極めて容易なもののひとつであるUbuntu(デスクトップ版・日本語Remix)を使って説明してみたい。なお、ここでは仮想環境を使ってインストールを行っている。
準備するもの
- Ubuntuのインストールディスクイメージ
- UbuntuをインストールするPC (仮想PCでも可)
- DVD-Rまたは2GB以上のUSBメモリ (仮想PCを使う場合、あるいは雑誌などで同封されているDVD-ROMを使う場合などは不要)
Ubuntu(日本語Remix)のディスクイメージは「Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード – Ubuntu Japanese Team」よりダウンロードできる。執筆時点ではサポート期間を考えると14.04 LTS版がおすすめである。
UbuntuをインストールするPCは実機の場合は今メインで使っているPCを使うのはあまりお勧めできない。失敗してもいいように予備用のPCを使うか、仮想環境をインストールして、その中にインストールしたほうが安全だ。
DVD-RまたはUSBメモリーはダウンロードしたディスクイメージを展開するのに必要になる。ディスクイメージをそのままDVD-Rにコピーしてはダメで、イメージライターを使ってDVD-RあるいはUSBメモリーに保存しなければならない。「ISOイメージファイルの焼き方、ISO形式のCD・DVDの作り方 – MEMORVA」を参考にDVD-Rに焼く必要がある。なお、仮想環境を使う場合はISOイメージファイルをそのまま使えるので不要である。
Ubuntuをインストールする
インストーラーを起動する
まず、インストールするPCにUbuntuのセットアップディスクを挿入して起動する(この時、BIOSの設定でCD/DVDあるいはUSBメモリーから起動できるようにする必要がある)。しばらくすると、ubuntuの起動画面が表示されるので、さらに待つ。
ようこそ画面が表示されたら、「Ubuntuをインストール」を押す。なお、「Ubuntuを試す」ボタンを押せばインストールせずにUbuntuを試用できる。インストールするかどうか迷っている方はまずは「Ubuntuを試す」ボタンを押して実際に触ってみるのが良いだろう。
インストールをする
Ubuntuのインストール準備の画面に移ったら、「空き容量が7GB以上あるかどうか」と「インターネットに接続しているかどうか」を確認する。いずれもチェックマークになっていたら、そのまま「続ける」ボタンを押す。
次に「インストールの種類」に移る。まっさらな環境にインストールする場合はそのまま「続ける」ボタンを押す。なお、「Use LVM with the new Ubuntu installation」にチェックを入れてもよいだろう。
「どこに住んでますか?」という画面が表示されたら、デフォルトでは「Tokyo」と表示されているので、日本に住んでいるのであればそのまま「続ける」ボタンを押す。
「キーボードレイアウト」画面に進んだら、日本語キーボードを使っているのであればそのまま「続ける」ボタンを、そうでなければ現在使っているキーボードを確認して、それに選択した上で「続ける」ボタンを押す。
「あなたの情報を入力してください」という画面が表示されたら、以下の情報を入力する。
- あなたの名前 (当然ながら本名でなくても可)
- コンピュータの名前
- ユーザー名
- パスワード
なお、上記の項目は基本的には英数字とすること。それ以外の文字が入っていると支障をきたす可能性があるので通常は使ってはいけない。
個人専用であれば「自動的にログインする」を入れても良いが、基本的には「ログイン時にパスワードを要求する」を選択するのが望ましい。
入力が完了したら「続ける」ボタンを押す。
その後、インストール作業が開始されるので、しばらく待つ。
インストールが完了したら、再起動を促す画面が表示されるので、「今すぐ再起動する」ボタンを押す。しばらくすると、再起動される(時折再起動せず黒い背景によく分からないメッセージが表示されたままになるが、なんらかのキーを押せば再起動してくれる)。
インストール完了後の操作
インストールが完了して再起動したら、ログイン画面が表示される。表示されたら、インストール時に設定したパスワードを入力して、Enterキーを押す。
ログインが完了したら、デスクトップ画面が表示される。
Ubuntuデスクツップ画面が表示されれば、晴れてUbuntuのインストールが完了である。これでようやくUbuntuを使う準備が整ったということになる。
さいごに
UbuntuはPCのスキルがそれほどない人でもインストールしてある程度使えるようにかなりの配慮がなされているといえる。実際、インターフェース上で比較的簡単な設定を入れるだけで十分にインストールできるから、そのことがうかがえる。特にディスクのパーティションの設定やインストールするパッケージの設定、あるいはネットワークの設定など、一定以上の知識が求められる項目がデフォルトでは問われない点といった意味で、できる限りの敷居を下げる努力が感じられる。
Ubuntuを試してみたい方はこのページを参考にして、使ってみればと考えている。なお、「ようこそ」画面では「Ubuntuを試す」ボタンを押すことでインストールすることなしにUbuntuを使ってみることができるので、インストールはちょっと・・・という方も安心して使える。
なお、今回はUbuntuを題材にあげたが、Ubuntu以外にもGNU/Linuxディストリビューションはたくさんあるので、いろいろ試してみながら自分に合ったものを選んでみるというのも良いだろう。
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