久々のアプリレビュー記事を書いてみたい。今回はTatsukiが提供する『勇者の塔』(iOS版/Android版)についてレビューしてみたい。このゲームは基本的にはクッキークリッカー系に属するが、勇者や兵士を強化して塔を駆け上るというかなりのオリジナル要素があり、一般的なクッキークリッカー系ゲームとは一線を画す面白さを有している。
ゲームの内容
基本的にはクッキークリッカーの要領で、塔の特定の場所をタップすることで勇者を召喚することができる。最初の段階では勇者は5人しか召喚できないが、モンスターを倒すと得られるゴールド ((クッキークリッカーとは違い、ただ単にクリックしたり放置したりしただけではゴールド(クッキークリッカーでいうクッキー)は得られず、ゴールドを得るにはモンスターを倒さなければならない)) を消費して召喚レベルを上げることで召喚可能人数を増やすことができる。また、ゴールドを消費して兵士を獲得することで一定時間ごとに兵士がやってきて自動的に戦ってくれるようになる。
画面下のメニューは「勇者パワーアップ」、「兵士」、「装備アイテム」「ショップ」に分かれており、「勇者パワーアップ」では勇者の強化をはじめ、各種強化を行える。「兵士」では自動的に召喚されるユニットを獲得あるいは強化することができる。「装備アイテム」ではタワーで入手したアイテムを表示、「ショップ」ではクリスタルを課金で購入したり、クリスタルでアイテムを購入することができる。
勇者パワーアップで行えることは主に以下の通りである。
- 勇者の強化(レベルアップ)
- 召喚数上限のアップ
- 一定階層以下のモンスター封印(発動すると兵士は封印された階の上から召喚されるようになる)、当初は固定だが、一定以上になると今度は「最上階からn階下」より下の階層のモンスター封印という上位のモンスター封印が追加される。
- バーサーカー(強化された勇者)の召喚確率向上
- 兵士出現速度上昇
- 勇者・兵士のパワーアップ
- 一定時間なんらかの効果が発生するアイテムの入手・レベルアップ
- 新しいダンジョン(装備アイテムを引き継いでリセット)
兵士は主に以下のタイプに分かれているようである。
- 戦士・騎士系: 通常の移動速度
- 忍者・盗賊系: 移動速度が速い
- 魔導師系: 移動速度が遅め
勇者は召喚上限未満ならタップすることで自由に召喚可能、兵士は一定時間ごとに出現するので、基本的にはいかにして強力な兵士と勇者を組み合わせてモンスターを倒して塔を登るかにかかってくる。特に5の倍数の階層はモンスターが多数いるため、基本的には多数の兵士と勇者が必要になるため、適切な場所及びタイミングで勇者を召喚して、最上階までの兵士の生存数を増やすことが求められると言える。
時間はかかるが、ある程度土台を作れば兵士と勇者の強化を放置しても行えるようになるので、その点では比較的攻略の自由度は高いと言える。
感想
個人開発のカジュアルゲームとしては完成度がかなり高く、マンネリ化しているクッキークリッカー系のゲームに塔の階層という要素を組み合わせることによっていかにして効率的に(あるいは着実に)モンスターを倒して塔を駆け上がるかという新たな攻略の要素 ((それも勇者と兵士を使い分けて一気に進めるか、兵士を徹底的に強化して兵士の力で進めるかなどの裁量があるのが特徴)) が生まれたこと、また、スーパーファミコン時代のRPGやアクションゲームを連想させるドット絵のグラフィックと壮大なファンタジー系のBGMがうまくマッチしており、ゲームに熱中させる要素が満載である。
ただ、インターフェース面において好ましくないといえる部分があった。特に致命的なのは文字サイズが全体的に非常に小さい点で、iPhoneでいうRetinaディスプレイあるいはそれに相当する画面でないと文字の識別が不能あるいは極めて困難である。また、視力の弱いユーザーにとっても非常に見づらいといえる。全体的にボタン類も小さく、細かい操作を必要とする点がかなり不親切といえる。一度に表示する情報量を犠牲にして1個の表示領域を確保するか、表記を簡略化するなどをして、文字サイズを大きくするとよいのではと考えている。
また、塔部分の画面をパン(ドラッグ)することで視点を移動させることができるが、その際に塔の中をドラッグしてしまうと、タッチを開始した段階で意図せず勇者を召喚してしまう ((塔の外をドラッグすれば回避可能)) 。これはゲームシステム上致命的ではないが、タッチを終了した段階でパン判定がなければ勇者を召喚するというようにすればより親切ではと考える。
もっとも、ゲームとしての完成度は高く、シンプルで攻略要素あり、クッキークリッカー系のゲームがマンネリすぎて飽きたという人にとって新鮮な体験ができるかもしれない。個人的にはおすすめのゲームである。
ウェブマスター。本ブログでITを中心にいろいろな情報や意見などを提供しています。主にスマートフォン向けアプリやウェブアプリの開発を携わっています。ご用の方はコメントかコンタクトフォームにて。