2015年12月3日、アップル社は2014年よりOS X/iOS向けアプリの開発用に発表したプログラミング言語「Swift」をApache License 2.0のもとでリリースした。これに伴い、Swift.orgのウェブサイトを開設、GitHub上にもリポジトリーを提供を開始した。これによって、Swiftがマルチプラットフォーム上で使えるようなる準備が整ったと言える。
さて、Swiftだが、Windows上でも使えるようになる日が来るのだろうか。個人的には言語仕様面ではまだしも、フレームワーク部分がネックになるのではないのかと考えている ((これについてはGNU/Linuxシステムやフリー系BSDなどでも言えることではあるが)) 。
現時点では、マイクロソフト社ではアップル社のiOSなどで使われているCocoa Touchフレームワークで作られたアプリをWindows上で使えるようにするためのブリッジフレームワークとしてWinObjCの開発が行われており、こちらは執筆時点ではMITライセンスで利用可能な状態となっているが、現時点では開発バージョンのままであり、実用的に使えるとは言えない状態のままとなっている。個人的にはこのWinObjCの成否でSwiftが使えるようになるかどうかがそれなりに関わってくるのではないのかと考えている。
というのも、Swiftにおいても、Objective-Cにおいても、その経緯から実質的にNEXTSTEP ((及びOPENSTEP)) 及びその事実上の後継OSであるOS X、iOS向けアプリ開発のための言語という位置付けに近い状態となっていた関係上、実質的にCocoa及びCocoaTouchなど、NEXTSTEP由来のフレームワークを使うことが前提となっていた状態だったことから、他のフレームワークを利用できるかどうかはネックになってくる。
個人的にはSwiftのオープンソース化で、以下は実現できるようにはなったのではと考えている。
- GNUStepがSwift上でも利用できるようになる。
- WinObjCがSwiftでも使用可能になる。
- .NET Framework版のSwift登場。
いずれも未確定事項であるため、実際に使えるようになるかは別問題だが、プログラミング言語やプラットフォームの壁をこえた開発ができるようになるのではと期待している。
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