このページをご覧になっているのであれば、あなたはLinuxを企業で導入しようか悩んでいるものと考えている。ただ、企業でLinuxを導入する場合、個人で利用する場合とは違って、自分自身が使いこなせることは言うまでもなく、関わる人全員が使えるようにしなければならない上に、Windowsではない注意点があることを肝に銘じておきたい。ここではそんな注意点を書いてみたい。
Linuxでは企業のサポートがないものが多い
RedHat Enterprise Linux、Ubuntuで商業サポートを受けた場合、SUSE Linux Enterpriseなどで、別途サブスクリプションライセンスなど費用を払って契約を結んだ場合を除き、Linuxディストリビューションは基本的にトラブルが発生したとしても企業によるサポートはなされない。
これは、もしトラブルが発生した場合、自分で解決させなければならないことである ((ウェブの情報やコミュニティーにおける情報交換などで解決法があるものも非常に多いが、基本的には自分で調べた上で対処しなければならない)) 。これは、社内や事務所内に一定の知識があるエンジニアがいる場合であればそれでなんとかなる場合が多いが、そうではない場合、あるいは一定の知識を超えた事態になった場合は対処ができない場合が大きいということに気をつけなければならない。
必ずしもコストが安いとは限らない
上記と関連して、費用を払った上で商用サポートを受ける方法をとった場合と、コストを払わずに無償でLinuxを導入した場合で、必ずしも後者がコストが安いというわけではない。
これは、確かにソフトウェアの費用あるいはサブスクリプションなどの費用は浮くとは考えられるが、社内でLinuxを扱えるエンジニアの人件費、あるいはトラブルが発生した時の費用、あるいはサードパーティーのツールを導入した場合はその費用なども計算に入れた場合、却って無償のLinuxを導入したことで逆にコストが増えてしまうということもゼロとは言えないのである。
セキュリティーはどうするのか
また、セキュリティーはどうするのかという問題もある。Windowsではサードパーティー任せにできる部分が大きいものの、Linuxでは多くの場合、自分でセキュリティー設定を設定ファイルの編集で行わなければならない事態に遭遇する。
このセキュリティーの設定が適切ではない場合、Windowsよりも脆弱性がある状態になってしまうため、その点は要注意である。
最後に
これらを踏まえて、個人でLinuxと導入する場合と比較して、Linuxを企業で導入する場合、思わぬ落とし穴が多数ある。それらを踏まえた上で、企業でLinuxを導入するのか否かを慎重に検討し、導入が適切だと判断した時にチェックを経ながら行いたいところである。
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