「Go West」とその意味合いの変化

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「Go West」といえば、原曲は1979年に「Village People」の代表曲のひとつではあるが、それ以上に1993年に「Pet Shop Boys」よりカヴァーされたバージョンの方が知名度が高い場合もあるようである。ちなみに私がこの曲を知ったのも「Pet Shop Boys」バージョンの曲を聴いたことがきっかけである。

この「Go West」だが、アメリカの西部開拓を呼びかけたホレス・グリーリーの「Go west, young man」からとった曲であるという。

なお、Village Peopleバージョンでは当時ゲイの間で半ば聖地となっていたサンフランシスコ((cf: 『なぜサンフランシスコは「ゲイの聖地」になったのか』- 歴ログ -世界史専門ブログ-)) も関連付けられていると言われている。これはVillage Peopleがゲイ・イメージを出して音楽活動を行ったことも影響する。この点からLGBTに対する応援歌という側面もあるといわれているそうである。

一方、Pet Shop Boysバージョンでは発表される直前のソ連崩壊をはじめとした東西冷戦の終結およびその変化に伴う混乱という時代背景から、東西冷戦時代のいわゆる東側(共産主義・社会主義)から西側(資本主義)への移動を促す側面があるといわれている。一方でアメリカの開拓時代及び人種差別問題に対する皮肉もこめられている模様である。

同じ曲においても、歌い手およびそのイメージや時代背景、その他の要素から全く違った意味合いが出るということは非常に興味深いものである。もっとも、音楽は楽しむものであるため、そういった意図をいたずらに見出す必要はないのだが。

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