2016年12月19日にFree Software Foundation(FSF)は、GNUプロジェクトのカーネル「GNU Mach」のサーバー群「GNU Hurd」バージョン0.9をリリースした。これと合わせてカーネルである「GNU Mach」とインターフェイスジェネレーターである「GNU MIG」もバージョン1.8がリリースされた。これによって、GNU Hurdもようやくバージョン1.0が見えてきたと言える。
GNU HurdはGNU Mach上で動くサーバー群で、協同して動作することでLinuxカーネルのように一般的なOSのカーネルとして動作するように設計されている。本来はGNUプロジェクトの公式カーネルとして採用されるはずだったが、開発の遅れから現在は別プロジェクトであるLinuxカーネルが導入されて、GNU/Linuxシステムとして使われることが多い。
さて、遅れに遅れてようやくバージョン0.9が登場、そう遠くない未来にはバージョン1.0が登場する見通しだが、個人的には市場を考慮するとGNU Hurdへと移行することは考えづらいだろう。
というのは、完成度あるいは機能・性能などでLinuxに大きく差を開けられていることと、開発のコミュニティーでもLinuxの方が圧倒的に強力になっていることが大きい。また、ソフトウェアの自由への捉え方にも差があり、比較的現実的な印象のあるLinuxプロジェクトと比較してソフトウェアの自由に対してかなり教条主義的な印象を感じさせることもあり、商用利用での支持は得づらいところがある。
GNU Hurdバージョン1.0登場が近づきつつある今日この頃、これがフリー系OSに与える影響は大きいとはいえないものの、GNUプロジェクトやLinuxプロジェクトにどういう影響が出るのだろうか?
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