2015年3月9日に、米アップル社が超薄型のノートPCとして発売した新しいMacBookシリーズだが、これは先行し販売していたMacBook Airシリーズよりも薄型で軽量のモデルとなっている。そういう意味では、もしかしたらMacBookとMacBook Airが一本化される可能性もあるのではないのだろうか?
Intel Macの変遷(MacBookシリーズを中心に)
以前はPowerPC系を採用していたMacだが、2006年1月10日にIntel Core Duoを搭載したMacBook Pro ((PowerBook G4の後継)) とiMacから現在に至るIntel Macのシリーズが始まった。2006年の間に順次MacBook ((iBook G4の後継)) 、Mac mini、Mac Pro ((PowerMac G5の後継)) なども発売された。当初は32bit専用だったが、順次Core 2 Duoなどの搭載によって64bitに対応するようになった。
なお、MacBook Airは2008年1月16日に発売され、当初はMacBookシリーズにおいても廉価版であるMacBookの上位の位置付けで、性能を重視したMacBook Proシリーズに対して、モバイルに特化したモデルという位置付けで、価格面でも20万円以上していた。2010年10月20日に発売されたモデルより概ね10〜14万円前後で推移するようになり、2011年7月20日の段階でポリカーボネイト製MacBookシリーズの終了とともに実質的にMacBookシリーズの後継という位置付けとなった。
2012年よりMacBook ProはRetinaディスプレイの採用などの変化はあったが、基本的には廉価・薄型のMacBook Air、高性能のMacBook Proという位置付けとなっていた。
そして、2015年3月9日にMacBookよりも薄型・軽量のMacBookシリーズが登場したという状態になった。
現時点でのMacBook/MacBook Airの相違点
現時点ではMacBookとMacBook Airでは以下の相違点がある。
- MacBook AirではMagSafeで充電、その他にもThunderbolt(Mini DisplayPort)及びUSB、13インチモデルではさらにSDカードが基本的にそのままで使えるが、MacBookではUSB Type-Cのみで、基本的にはそこから充電する。データのやり取りや周辺機器の使用などでUSBを使う場合、サードパーティー製のハードウェアが必要になる可能性が高い。
- キーボードのタッチ感覚。MacBook AirではMacBook Proなどのキーボードに近いが、MacBookでは新たに開発された超薄型キーボードを採用している。
- トラックパッド。MacBook Airでは従来のトラックパッドだが、MacBookではForceTouch対応のトラックパッド。
- MacBook AirはRetinaディスプレイは採用していないが、MacBookでは採用している。
上記のような違いがあり、特に1は現時点での利用者の利便性に致命的な悪影響を及ぼす危険性が高く、統合は難しいものと考えられる。
なお、『ウソだよね…MacBook Airが打ち切られる可能性も』(ギズモード・ジャパン)においてMacBook Airが打ち切られる可能性の言及があるが、個人的にはいくら何でもMacBook Airの打ち切りは考えづらいと考えている。というのも、上記の通り、相違点から周辺機器の利用頻度などの問題など、課題点が多数あるからである。
最後に
個人的には短期的にはMacBook AirとMacBookの統合や、MacBook Airの打ち切りはないだろうと考えている。どちらも周辺機器の問題などで課題点が残っているからである。
ただし、長期的にはMacBook AirとMacBookが統合される可能性はあると考えている。どちらも携帯性を重視しており、方向性はかなり近いと言えるからである。携帯性と周辺機器のサポートのバランスをいかにして取っていくかが興味深いところである。
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