『新世代の低オーバーヘッドなグラフィックスAPI「Vulkan」,ついに正式始動』(4Gamer.net)によれば、Khronos Groupは2月16日に次世代のグラフィックAPI「Vulkan」の正式な仕様がリリースされた。
当該APIは従来のOpenGLと比較して「低レベル」 ((ここではGPUなどのハードウェアよりという意味である)) なAPIとなっており、レイテンシーの軽減などパフォーマンスの向上が見込まれると考えられる。
これはAMDのGPU/APU向けAPI「Mantle」、Microsoftの「DirectX 12」、Appleの「Metal」に続いて4番目の低レベルグラフィックAPIといえる。
現時点ではVulkan対応のドライバがWindowsおよびGNU/Linux向けに順次リリースされつつある状況にある。Androidでは6.0での対応が表明されている。
ただし、個人的にはVulkanの普及は少々疑問を抱いている。Vulkanは低レベルなグラフィックAPIである関係上、そのままではソフトウェア開発には使いづらい面がある。
また、MicrosoftではDirectX 12、AppleではMetalという独自APIもあり、それらと競合関係になる可能性があり、互換性問題を抱えることも想定されるからである。
これらの問題から、現時点では一般的なアプリ開発ではVulkanを使うというのはあまり考える必要はなさそうである。
だたし、ゲームフレームワークなどの開発では、少々状況は異なりそうである。これらはどうしても端末のパフォーマンスに影響を及ぼすことから、パフォーマンス改善のために採用する可能性はある。cocos2d-xやUnityなどのフレームワークについてはプラットフォームにもよるが、将来的にVulkanなどを使う可能性はありうると考えている。
どんどん低レベルなグラフィックAPIが登場しているが、今後の展開が気になるところである。
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